手続きの流れ

交通事故により後遺障害が残った場合、どのように対処したらよいのでしょうか。ここでは、後遺障害認定手続きの流れについて、ご説明します。

症状固定となったら医師に診てもらい、後遺障害診断書を作成してもらいます。後遺障害診断書は医師のみが作成できるもので、治療開始日や症状固定日、治療内容などの認定に必要な情報を明確に記載します。作成出来たら保険会社に郵送してもらいます。事前認定の場合は保険会社から損害保険料率算出機構へ送られ、損害保険料率算出機構で調査されます。調査結果は保険会社経由で通知されます。被害者請求する場合は自賠責保険会社へ直接申請書類を提出します。その後、損害保険料率算出機構で調査され、自賠責保険会社経由で結果が届きます。結果は、約3か月程かかる事が多いです。どの等級にも該当しない場合は非該当、該当する等級が1つの場合は第何級何号、複数ある場合は併合何級となります。

後遺障害等級認定の結果に納得できない場合は、異議申し立てを行う事が出来ます。異議申し立ての回数に制限はありませんが、その場合は事故と症状の因果関係の証明、医学的に認めさせる為に、追加で診断書などの客観的な資料を添付する事をお勧めします。

脊椎損傷の場合

交通事故による主な後遺障害として、脊髄損傷があります。ここでは、脊髄損傷の後遺障害や等級について、ご説明します。

脊椎は脳から送られる信号を末梢神経まで伝達し、また、末梢神経から脳へ信号を伝達する大切な神経です。脊椎に圧迫、断裂などの損傷を負った際、一部損傷の場合は手足にしびれや麻痺が残ったり、完全に断裂すると運動機能や感覚機能が完全に失われる場合があります。同時に自律神経系も損傷する為、体温調節や代謝機能も困難となります。交通事故により脊椎損傷した際に等級認定を獲得するには、医学的根拠に基づいて証明されなければなりません。また、要介護であるかも考慮されます。

MRIの写真
引用元《後遺障害(後遺症)とは | 交通事故の慰謝料・弁護士相談ならアディーレ法律事務所

医師の診療を受け、MRIでの画像診断、神経症状を把握する為の各種テストを受けます。腱反射が正常か否か、筋力がどの程度低下しているか、触覚、痛覚、温度覚などに異常がないか、手指の細かい作業や動作に障害はないかを判断するテストです。これらの結果を認定基準と照らし合わせ、後遺障害の等級や後遺障害慰謝料の金額が確定されます。後遺障害の等級結果について不服な場合は、異議申し立てをする事も出来ます。

このように脊椎損傷でも症状の程度に幅があり、損傷部位によって現れる症状や障害も異なります。これらの症状の程度や範囲などに応じて、等級が認定されます。

後遺障害の種類

交通事故による後遺障害には、精神的なものと、身体的なものがあり、様々なものがあります。ここでは、交通事故による後遺障害の種類について、ご説明します。

後遺障害とは、交通事故などによる怪我が治癒せず症状固定後に残る障害で、医師により等級認定などを受けたものを後遺障害と言います。まず、精神的後遺障害です。主にPTSDやうつ病などがあり、交通事故を体験した事による恐怖心からPTSDなどは発症されます。また、交通事故によるむち打ち症で、慢性的に身体に痛みなどの苦痛を感じる事から、うつ病などになる人もいます。これらは、脳組織の器質的損傷を伴わない非器質性精神障害と呼ばれます。非器質性精神障害にはこの他に不安神経症、強迫神経症、ノイローゼ、統合失調症などもあります。身体的後遺障害では、首や肩などの上半身の痛みがあるむち打ち損傷や、脳に損傷を受けた事から記憶障害や注意障害を引き起こす高次脳機能障害、上肢や下肢の3台関節の機能が損なわれる上肢、下肢機能障害、脊髄が離断され末梢神経への伝達が損なわれる脊髄損傷などがあります。

交通事故の後遺障害により日常生活がままならなくなり、今までの生活に戻るまでかなりの時間を要する、または、最悪戻らない場合もあります。症状固定後は積極的に医師に相談し、早めに対処する事を心掛けて下さい。

交通事故に遭った場合

交通事故に遭った場合、気が動転してしまい冷静な判断が出来なくなる事があります。ここでは、交通事故に遭った場合に、やるべき事について、ご説明します。

まずは、警察に通報する事です。仮に相手が警察を呼ぶ事を渋っても、通報は必ず行って下さい。加害者なのか被害者なのかわからない場合や、相手が逃走する可能性もあります。ケガを負っていて警察を呼ぶ事が出来ない限り、出来るだけ自分で通報するようにしましょう。次に、自分でも自己の記録を取っておきましょう。事故現場の証拠は、損害賠償請求時に非常に重要なものになります。事故車や現場の状況、破損個所、負傷部位などの他、氏名や住所などの基本的情報はもちろん、念の為、相手の車検証や免許証を記録しておくこともお勧めします。更に、出来れば第3者の目撃証言を確保できれば尚良いです。第3者の承認は警察や保険会社に信用される事が多くなります。その後、保険会社に連絡を入れます。その場ですぐに、当人同士で示談を行う事は避けて下さい。保険会社に連絡する事で、示談交渉に必要となる書類などが出てくるので、後で後でに回る事を避けられます。最後に病院に行きます。もし外相が無くてむち打ち症であったり、気付いてないだけで脳内出血や骨折などを起こしている可能性があります。傷害があると診断された場合は、速やかに人身事故の手続きを行い交通事故証明書の交付を受けて下さい。

交通事故の際は、上記の事を迅速かつ的確に行う事は難しいですが、もしもの場合に備え、覚えておきましょう。